2009年1月31日土曜日

資本主義は嫌いですか 竹森俊平 日本経済新聞出版社 その8


第Ⅰ章 ゴーン・ウィズ・ア・バブル

人々は必ずしも合理的な行動をするわけではない

「経済理論的に誤った判断」に「引っ掛かるか」を調べるアンケートの質問。
「あなたの街で住宅ブームが発生しているのは、多くの人があなたの街に住もうとするからか」
→「人が住もうとする」都市における住宅への需要は大きいから、そういう都市の住宅価格が「高水準」であることは予想される。しかし、住宅価格が上昇を続けることは予想されない。

さまざまな「きっかけ」で住宅価格が上昇する

求められる住宅価格は「個人所得」に対してだいたい決まった数倍という一定の値を取る。個人所得が毎年上昇する。住宅に対する需要も同じスピードで上昇する。
それに対して、住宅の供給(面積)は規制等によってほぼ不変である。
そのため需要増は、単に「住宅価格」の上昇を引き起こす。

なんらかの「きっかけ」が生まれ、住宅に対する需要が増加したとしよう。その結果住宅価格の上昇が起こる。その際「住宅供給の価格弾力性」が大きければ価格の上昇は小さく、「住宅供給の価格弾力性」が小さければ大幅な住宅価格上昇が必要となる。
大きな価格上昇が、住宅価格の「自己増殖的メカニズム」を引き起こす可能性をもつ。「投資意識」「価格上昇の予想」が住宅価格上昇を実現し、さらに価格上昇予想につながる連鎖反応が働く。「バブル」が生まれる。

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