2008年9月19日金曜日

稲盛和夫 講演「人生の王道」☆


「一国は一人を以って興り、一人を以って亡ぶ」リーダーが心得を間違うと組織がだめになる。
昭和30年に卒業して最初の入った会社は戦後以来10年赤字の会社で初任給も遅れる状態だった。5人入社して秋までに4人辞めた。碍子の会社だった。セラミックスの研究が最初の仕事で結構成果をだした。27歳のとき技術部長と意見が合わなくてその会社を辞めた。自分のセラミックスの技術を周囲の人も評価してくれて資金を出してくれたので会社を作った。最初は自分の技術を世に問いたかっただけだった。
会社を作るとすべて細かいことも決めなくてはならない。問題は判断基準を自分の中にもっていなかったことで、困った。そこで、唯一小さいころから慣れ親しんだ「人としてやって良いことと悪いこと」というプリミティブな判断基準で物事を決めることにした。善悪である。
「敬天愛人」
従業員が団体交渉をしてきたことがある。当時2間の市営住宅に住んでいたが、そこに全員入れて2日間話をした。従業員の生活を何とか安定的にする方向の経営を約束してしまった。技術者の夢「稲盛和夫の技術を世に問う会社」から「従業員の生活のための会社」になってしまった。

命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は始末に困るものだが、この始末に困る人でなくては、艱難をともにして国家の大業を成し得るものではない。経営者は自己犠牲の精神なしにはありえない。労使の心が通じないことに多くの問題がある。常に会社経営は不安だったので、できるだけ私人の時間を減らし公人の時間を増やした。無私が大切である。

食べ物が少なくお腹が空いているときに、母親が子供に先に食べ物を与えるのは本能です。経営者が従業員にそれを行うのは大変困難です。しかし理性を使い行えば必ず人はついてきます。

自分を鍛えるのは日々の反省です。

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