2008年6月30日月曜日

太陽の塔 森見登美彦 新潮文庫


日本人は大阪万博に何を求め、太陽の塔をどのように見たのでしょうか?大きな太陽の塔が今の若者の心にも訴える何かがあるのでしょう。

2008年6月27日金曜日

銀河不動産の超越 森博嗣 文芸春秋


危険を避け、頑張らずに、周りに流されて幸せになるひどい話。主人公高橋氏が成り行きで住むことになった物件。これが魅力的です。ひたすら広い。天井も高い。森の中のような場所。贅沢な作りという良さを感じました。

2008年6月25日水曜日

マオ_誰も知らなかった毛沢東 上 ユン・チアン 講談社


今の中国を知るには過去の中国を知っておいた方が良い。北京オリンピックは中国を勉強する機会を与えてくれた。毛沢東とはどんな人物だろう。歴史を知らなくてはいけない、相手は平気でウソをつき人を殺すと知らなくてはならない。是非読んでもらいたい本です。

2008年6月24日火曜日

きつねのはなし 森見登美彦 新潮社


何となくジャケットから避けていた本作に手をつけました。なんといっても「きつね」というと日本ではとっても怖い存在だからです。負い目の作り方、差し出す行為と失うもの。蛇足の余談ですが、きつねのお面というとDr.スランプ アラレちゃんの空豆ピースケを思い出します。

2008年6月20日金曜日

緊急地震速報「エリアメール」☆

最近、大規模な地震が立て続けに起きている印象です。世界規模でマグマが活性化しているのではないかと心配になります。気象庁が配信する緊急地震速報を携帯電話に必要エリアに一斉送信するサービスがあります。今回リンクはドコモです。多少の操作登録は必要なようです。ちなみに私の携帯電話は適応機種ではありませんでした。これを機会に買い替えを考えてもいいかななんて思っています。ぜひ、ご登録をお勧めします。

2008年6月19日木曜日

『資本論』も読む 宮沢章夫 WAVE出版


マルクスの資本論は難解極まりない。それを読むという格闘を筆者の悶絶を共感しながら辿る。これもエッセイだった。決して資本論の入門書でもやさしくわかるように説明もしてくれない。ひたすら悶絶するばかりである。マルクスの個人としての魅力が「批判の精神と文学性」として資本論に登場し、その個人の魅力が多くの国を多くの人を惑わしたと言うことかもしれない。さて、この筆者の悶絶が羨ましい。だから挑戦してみる。といっても資本論ではなく私にとって難解な本によって。私が中項目「小説も読む」とつけているのは実はこの本の影響です。

2008年6月16日月曜日

四畳半神話大系 森見登美彦 太田出版


 森見登美彦氏にハマリ、読み漁っている。(そもそもなぜ四畳半であるのか。・・・畳を平行に三枚並べ、それに平行になるようにもう一枚並べる。残る隙間に半畳入れて、すっきりとした正方形が完成する。美しいではないか。)言われてみると確かに美しい気がしてくる。
 人生には岐路がある。選択できる道が他にもあったはずだ。本当の僕は今の僕ではない気がする。そんな思いに襲われる。
 (我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心・・・山月記)
氏の小説は、特に青年の心が面白くて仕方がない。中島敦の山月記やカフカの変身などを感じさせる。ただ、押付けがましくないのもとても良い。

2008年6月13日金曜日

日本と中国は理解しあえない 日下公人 石平 PHP


 営業戦略の立て方のようなハウツー本を読んでいると、SWOT分析という言葉が出てきます。自社のS=強み W=弱み O=機会 T=脅威を書き出し、分類して、例えば「強みを生かして機会をつかむ」方法を考えたりするのだそうです。機会、脅威は受け取る側の考え方でどちらにもとることができます。そして、直接関係なさそうなことも地球規模の経済環境を考えると機会や脅威に成り得たりするのかも知れません。
 前置きが長くなってしまいましたが、今年は北京オリンピックと言うことで中国関連の本が沢山出ています。中国を知っておく、勉強しておくチャンスかとも思いますのでこの本を手にとって見ました。
以下はすべて引用(抜粋)です。
・みんなが投資して市長の業績が上がって、今度は四川省の省長になった、あるいは北京の市長になった。しかしそのあと、いなくなった彼の約束は誰も守らない。・・・「借鶏下蛋」ニワトリを借りてきて卵を産ませる。ところが、そのうち「殺鶏取蛋」。卵を取ってニワトリも殺すようになりました。
・胡錦濤はあと5年したら退陣ですから、要するに5年以内に誰かを後継者に選ばないといけない。しかし、選挙制度もない。だから結局、権力闘争になるのです。・・・彼が何か手柄を立ててカリスマ指導者になる唯一のチャンスは台湾ではないでしょうか。・・・台湾を攻撃したら、おそらく中国共産党は国内問題を一時的に片付けることができます。

2008年6月10日火曜日

犬吠埼を訪ねて


犬吠埼(いぬぼうさき)は関東平野の最東端、太平洋に突出する岬。千葉県銚子市の利根川の河口に近くにあり、岬には「世界灯台100選」にも選ばれた犬吠埼灯台が屹立する。

高村光太郎が智恵子と出会い、智恵子抄を書いたとされる、ぎょうけい館という宿もある。温泉もあり、食事付温泉日帰りプランなどもあるようだ。

1輌編成の銚子電鉄や濡れせんべい、いるかのショーが意外と本格的なマリンパークなどしっかり楽しめる。

2008年6月9日月曜日

有頂天家族 森見登美彦 幻冬舎☆


 万城目学氏の小説は3冊をコンプリートし、他の人の小説も読んでみようと思いました。本屋に行きましたが”ぴん”ときません。アマゾンに”この本を読んだ人はこんな本も読んでます”という欄がありました。そこで紹介されていた本の中でタイトルから面白そうだと思う一冊を買いました。帯の宣伝を読むと「狸と天狗と人が入り乱れて巻き起こす三つ巴の化かし合い」って・・・平成ぽんぽこかよ、と軽いがっかり感。しかし、読むうちに『三つ巴の車輪』が大きく回転しそれが心地良いのです。
 舞台はホルモーと同じ京都。『人間は街に暮らし、狸は地を這い、天狗は天空を飛行する。平安遷都この方続く、人間と狸と天狗の三つ巴。』『天狗は狸に説教を垂れ、狸は人間を化かし、人間は天狗を畏れ敬う。天狗は人間を拐かし、人間は狸を鍋にして、狸は天狗を罠にかける。』この三つ巴の車輪が京都の町を杜を空を駆け抜けます。
 当初予測に反してお勧めの一冊になりました。2008本屋大賞3位に入りました。

2008年6月6日金曜日

狐と狸の大統領 ロシアを見る目 小林和男 NHK出版


 近年《グローバル化》が叫ばれる。インターナショナルは国家が前提で、グローバルと言う言葉に国境が無くなったというニュアンスが含まれる。とは言え私の周りはさほどインターナショナルでもグローバルでもない。しかし、日本の経済は明らかに海外の影響を受けている。国内マーケットは価格が上げられない状態が続き、原材料は何倍にも上がった。
 今回読んだ本は、隣国の大国ロシアについての本です。日本とは領土問題があり、漁船の拿捕や「サハリン2」のガス田開発の工事中止など政治の不安定さと信用できない国民イメージが私にはありました。今回この本を読んで現実を冷静に色眼鏡をはずして見る必要を感じます。プーチン大統領に関する記述が多いですが、ロシア人という国民やロシア文化を見直すきっかけにもなるかもしれません。まだ、発展途上で日本ほど良い国では無いことは事実のようです。しかし、目を背け、問題を盾に無視することなく、隣国として上手に付き合わなければならないようです。
 著作内で紹介されていた書籍を書いておきます。
『プーチニズム~報道されないロシアの現実』NHK出版 
『国家の罠~外務省のラスプーチンと呼ばれて』新潮社刊 佐藤優元外務省分析官
『雷のち晴れ~日露外交七年間の真実』NHK出版 アレクサンドル・パノフ 元駐日大使

2008年6月5日木曜日

野澤正平氏 日産センチュリー証券㈱代表取締役社長(元 山一證券㈱代表取締役社長)

 人材創造フォーラムというのに参加して講演会を聞いてきました。講演内容は「営業リーダーの役割と育て方」で、山一證券の最後の社長だった方です。
 『すべての個人は意欲と能力を持っている』営業の原点は変わらない。営業とは『人の前に立て。これで80%営業できたと言って良い。そして、自分を売り込んで信頼を得る。悩みを聴いて一緒に解決すれば残り20%』
 長野県の農家の4男として生まれた。両親は大学に行くことも東京に出ることも許していたので兄3人は野澤氏が高校を出る頃には居なかった。そして、家にあまり余裕もなくなっていた。そこで3年間農作業を手伝った。その頃からお酒が好きで、飲み代を稼ぐ為に(おそらく学費を稼ぐことが目的だと思いますが)一生懸命働いた。このとき土木系の監督の仕事もした。そこで野崎氏は学ぶ、『人を動かすのは”ハート”だ』
 3年働いてから6大学で一番学費の安い法政大学に行った。しかし、酒好きは納まらず飲み代を稼ぐ為に(?)4年間横浜の材木商でバイトをした。ここで、誰も見ていなくても嫌がることを進んでやった。就職が決まって辞めるときに材木商の女将さんが、何かプレゼントをしたいと言ってくれた。断ったが、食いっぱぐれないように自動二輪の免許を取らせてくれた。そこで、『人に尽くすこと』を学んだ。
 昭和39年に入社し、昭和45年まで個人営業、昭和47年から昭和57年まで本社で法人事業部、その後やっと部下ができた。支店長になった。
 会社に来て部下とすれ違う時に、部下の顔を見る。目が赤くてうつむき加減だったら要注意。女かサラ金か家庭の悩みを抱えている。『早く悩みを見つけて、一緒に解決する』。例えば、サラ金から借りた金を部下の親類を集めて返させる。そこまで関わる。・・・そして何としても親類に返済出来るように成功させる。 例えば家族が病気で心配していたら、自分が車を出して病院に送って行った。・・・部下の奥さんは「家族を大事にする上司のために頑張れと尻を叩いてくれる」どちらも業績アップにつながる。
 中長期計画を立てる営業企画部に移った時は計画なんて作れないから大変だった。出来ないことはせずに新人営業の教育に力を入れた。当時日々の新人教育は現場の支店長に任せられていたが、支店長は忙しくそれどころではないことを知っていたからだ。チームを作って『お茶の飲み方、アポイントの取り方、話の仕方』など基本的なことを教えた。
 リーダーに望んだことは、会社の考えを全員にひとり残さず理解させることだった。支店に行ってまずすることは、パートや契約社員の女性に支店長からされた話を確認することだった。徹底できていない支店長は、新天地で頑張ってもらった。
 山一証券がもうダメだという時、解雇通告通知書を渡す時はつらかった。だから、再就職を一生懸命支援した。そしてどういう人を企業が求めているか分かった。『誠実さと、資質』だった。両方を野澤氏が請合った。ダメなら辞めさせて欲しいと、責任もって一緒に再就職を手伝うからと言ってお願いした。野崎氏は会社が無くなって5年経っても再就職の手伝い続けた。

講演を聴いて「営業リーダーの役割と育てかた」は野崎氏をいかに作るかなのだろうと思う。自らよく働き、部下をよく観察し部下の人生にどっぷりと関わる。”リーダーは責任を持つ”という言葉を聞くが実践することはこういうことかと思い知らされた。

2008年6月4日水曜日

日経ホームビルダー 2008.3 日経BP社☆

特集「デザイン力」をつけるには
悩み(提案が顧客に伝わらない)
『普通でいいから』って見積書ばかり見てるんだ。 / 「こちらにA案、B案、C案と提案させて、その中から選ぶだけ」 / 「デザインは『こういうのがいい』と明確にイメージしてきてドンピシャの提案じゃないとまったく受け付けない」 / 「要望が細かくて・・・。白と言ってもいろんな白があるとかね」
顧客のキモチ(足りないものは何ですか?)
「シンプルモダンといったキーワードをよく耳にするが、その言葉から思い浮かべる空間のイメージは、人によってかなり幅がある。」 / 「顧客も、要望するイメージを自分の言葉で具体的に説明できる人はそう多くはない。「リーズナブルで、なおかつ安っぽく見えないように」「普遍的で飽きのこない空間に」 / 住宅のデザインに関する顧客の興味は、単に具体的なディテールなどハード面に留まらず、全体の雰囲気やその家での暮らし方といったソフト面に及んでいるようだ。/ デザインに関して『普通でいい』という顧客は多いが、納め方や仕上がりといった細かな部分まで、クオリティにはかなり厳しい判断基準を持っている。
対策
あえて低めの天上で”広がり”を / 段差が空間を生かすことも / 照明器具を隠すと落ち着く / 窓を減らして光にメリハリ/収納をあちこち作らない/家具を顧客任せにしない / 既製品の寸法にとらわれない / 車庫など外部も一緒に考える / 温熱環境もデザインのうち / いいデザインは目立たない

テレビで”エコかっこいい”という言葉を聴きました。エコという概念自体がデザインのかっこよさに影響を及ぼすという新鮮さを感じました。顧客の価値観を共有し具体的な生活に転換できる媒体としての家がデザインされれば良いのかななんて思いました。

2008年6月3日火曜日

Ron Mueck ☆


先日金沢の21世紀美術館に連れて行っていただく機会がありました。円形の建物でLeandro Erlichの《スイミング・プール》〔強化ガラスに水を張った、プールの水面を境界とし、その地上と地下(プール内部)で人と人とが出会う作品。〕が有名でぜひ見ると良いとのことで行きました。写真はプールの上から撮ったものです。そしてミュエックと会いました。正確にはミュエック展をやっていたので見ました。すばらしくリアルな人間の彫刻でした。ただ、大きかったり小さかったりするのです。そんな人間がいるかのような錯覚を覚えるくらい毛穴までリアルです。2008年8月31日〔日〕までやっています。
リアルな人間の肉体を堂々とさらされると小さなコンプレックスは生きている喜びに変わります。

2008年6月2日月曜日

ザ・万歩計 万城目学 産業編集センター


 万城目氏の著作物が出ていたので早速読みました。小説ではなくエッセイでした。鹿男やホルモーという奇抜なアイディアが浮かぶ不思議な人物の生活をほんの少し覗くことができました。小説同様読みやすい文体でクスリと笑ってしまうような内容です。次回作を期待しています。