2009年7月30日木曜日

アニマルスピリット 人間の心理がマクロ経済を動かす ジョージ・A・アカロフ /ロバート・J・シラー著 山形浩生訳 東洋経済新聞社


読み始めたところで、なかなか読み進めない本であることに苦心している。
内容はとても興味深く、おそらく明快なのだろう。
訳が直訳過ぎて酷い。
という言い訳を添えて、少しずつ紹介します。

序文
世界経済にとっては、2008年9月29日がその決定的な瞬間だった。アメリカ議会は財務長官ヘンリー・ポールソンの提案した7000億ドルの救済(ベイルアウト)プランを否決(その後気を変えたが)。ダウジョーンズ平均株価は778ポイント下落した。
大恐慌の1930年代に、人々は経済が本当はどう機能しているかを学んだ。また、堅牢な資本主義経済における政府の適切な役割について学んだ。『この教訓の復活+現代的色合い=本書』

ジョン・メイナード・ケインズは『雇用・利子および貨幣の一般理論』を発表した。
 アメリカやイギリスのような借り入れ能力のある政府が借金をして消費すれば、失業者に仕事を取り戻せることを示した。ハーバート・フーヴァー大統領とフランクリン・ルーズベルト大統領はどちらも多少はおっかんびっくり赤字支出を行った。…ケインズ流の借入支出が戦争によって実現すると失業は消えた。

『一般理論』には、赤字支出で不景気から抜け出すという以外にもっと根本的なメッセージがあった。ケインズは、ほとんどの経済活動が合理的な経済動機から生じることは認めた。だがまた、多くの経済活動がアニマルスピリットによって動かされていることも指摘した。

資本主義はすさまじい創造性を発揮できる。一方で、なすがままにしておくと資本主義経済は過剰に走りすぎる。政府の適切な役割は、資本主義の創造性は大いに発揮させるべきだ。でも、アニマルスピリットのせいで生じる過剰(行き過ぎ)には対抗すべきだ。

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