2008年12月1日月曜日

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 桜庭一樹 富士見書房☆


今回の題材はドメスティック・バイオレンスです。

「なぎさ、なぎさは”ストックホルム症候群”って、聞いたことあるかい?」
「誘拐されたり人質にされた犯罪被害者が陥る心理状態のことなんだ。ストックホルムで実際に起こった事件からその名前がついたんだけどね……」「たとえば誘拐された被害者というものは、自由を奪われて、考えることも取り上げられて、そのまま狭い密室で犯人と何日も過ごすんだ……」「するとね、なぎさ。たとえば宗教団体や自己啓発セミナーや企業の新人研修も同じシステムなのだけれど、奪われた思考のために空っぽになった器に、新しいものがたっぷり隅々まで入ってしまうんだよ。宗教の教義やら新しい自分観やら企業への忠誠心がね……」「誘拐や人質事件の場合は、犯人への同情や忠誠心がそれに当たるんだ。長い間拘束されるほどに、被害者は救出された後までも犯人の味方となり、法廷でも彼らを庇う発言を繰り返す」

少女たちは戦っている。嘘という砂糖菓子の実弾を撃ち、生き残って大人になる為に少女たちは戦っている。

日本のどこにでもある、とても愛おしくなるような田舎の風景の中で。

砂糖菓子でできた弾丸では子供は世界と戦えない。

2008年11月28日金曜日

金融危機の帰趨と今後の展開 武者陵司


1949年生まれ。長野県出身。1973年横浜国立大学卒業後、大和証券に入社。1982年、同証券調査部門独立により大和総研に出向。87年までの間に建設・住宅・窯業・自動車・電機業界を担当。1988年より大和総研アメリカ チーフアナリスト。1993年より大和総研 企業調査第2部長。1997年1月、ドイツ証券に入社。チーフ・ストラテジスト兼株式調査部長。 2005年、ドイツ証券東京支店 副会長兼CIO。

バブル(崩壊)は繁栄の入り口である。

無から有を作る、将来の信用だけで借金をして家を建てる。まさにバブルも資本主義の生み出した発明のひとつであり、信用が無い袖を振らせる。

今、実体経済と市場経済(株・クレジット)は空前の乖離を起こしている。今後どうなるだろう?
①恐慌。市場に吊られて大倒産、大失業へと進む。②資産価格の大反発。実体経済に合わせて市場が回復する。この二通りしか有り得ない。

ちなみに大恐慌の後にはかつてそうであったように、武力行使も含む政治的悲劇が必ず起こる。したがって、何が何でも避けなければならない。

一年前からサブプライムローンの販売価格を見ると完全に債務不履行になっているリスク値(40%~60%)で取引されている。つまり、差し押さえて販売してそれでも残った率程度で。サブプライムローンの延滞率18.68%と抵当差押率(処理進行中)11.82%を合わせても30%程度。

金融機関にはお金が無い。しかし、投資家と企業、中央銀行には現金がある。今後恐慌になるか成長に転ずるかは信用の問題になる。信用が収縮してしまっている状態を信用が拡大していく状態にしなくてはならない。

11月25日のFRBによる合計8000億ドルの新規資金供給は、大きなインパクトをもつ。
とうとう、米国中央銀行が金融機関に対してのみならず、個人や企業に対しても「最後の貸し手」として機能する決意を、明確に示すものであるからである。

米ドルを基軸通貨とした世界を維持するより恐慌を避ける道は無い。
そして、何としても大恐慌を避けねばならない。

今後、東京は技術のハブになり、拡大された資本主義国に中産階級が拡大することで質の高いものにお金をかける時代がくる。拡大した資本主義市場は労働者も増加させた。

グローバル社会は同一のルールで勝負する社会。ひとつの地球として保護主義的政策をとらない前提で国際分業が行われる。しかし、実は、国際分業社会は不公平な社会である。

分業で受け持つ産業のツララの最初の核を持っている地域がその産業を握る。産業は集積するとメリットがある。フォードの故郷、デトロイトの車やスタンフォード大学の近くのシリコンバレーのITなど。農業に特化した地域は現在は不利な状況になっている。

日本は全産業がフルラインナップで持っており、取捨選択できる。付加価値の高い、品質の良い製品を作る技術がある。また、チープレイバーメリットが残っている。日本は安い労働者を使っていかに稼ぐかの知恵をだし、富を増やす時代が来る。

恐慌を避けてしまえば…日本は有利な条件がそろっている。

おすすめの本 「資本主義は嫌いですか―それでもマネーは世界を動かす」 竹森俊平 日本経済新聞出版社

2008年11月27日木曜日

モダンタイムス 伊坂幸太郎 講談社


漫画雑誌『モーニング』に連載されていたそうです。

「播磨崎中学校」「安藤商会」「個別カウンセリング」「加賀絵里」「小林有里子」「間壁俊一郎」

”人は知らないものにぶつかった時、まず何をするか?"
「検索するんだよ」

「ルールには二種類あるの」「大事なルールとそうじゃないルール」「大事なルールほど、法律では決まってないのよ。困った人に手を貸しなさい、とかね、そういうのは法律になってない。で、無条件に、糞赤信号に従うってのは、どういうことかって言うと」「誰かの決めたルールを無条件に受け入れるだけ、ってことよ」

これは近未来社会派SFサスペンスと言えばいいのでしょうか?各時代試行錯誤しながら生き抜き、振り返ると良い時代だったと思うのです。多少の懐かしさを込めて。

2008年11月21日金曜日

日本神話の神々 井上宏生 祥伝社新書




「今日も良い日でありますように」とつぶやく。

豊作や豊漁を願う。

自然に感謝する。

これが本来の日本の八百万の神々への親しみなのでしょう。

イザナギとイザナミは人と同じように「まぐわい」、国を産んだ。

そして神を生んだ。

火の神を生んだ時に焼かれてイザナミは死んだ。

その後の神は「まぐわい」ではなく生まれる。

権力と権威の匂いを感じ始める。

育てられた神と作られた神、どちらにその匂いがするかは明白である。

2008年11月13日木曜日

やっかいな隣人 韓国の正体 井沢元彦 呉善花 祥伝社


儒教の国は礼を重んじる。年長者を敬う。だから儒教が徹底している韓国はさぞやいい国だろうと思ってします。でも儒教、特に朱子学が徹底しているからこそ歴史を客観的に見たり近代化したり出来ない現在の韓国の問題を解決できないでいる。

韓国社会で守るべき礼は、長幼の序、男女の序、生業の序、家の出身の序、出身校の序などありとあらゆる序列をつける。上下関係をつけなくては落ち着かない。

現実よりもイデオロギーが大切。儒教的思想が日本の左翼とよく似ている。「こうあらねばならない」と考える物事を疑えない。疑うことを全くしない。

韓国は一神教的素地があったり、罪を犯した人は死んでも許されなかったり、祖先の罪は子孫の罪だったりと日本とは根本的に異なる部分も少なくない。

韓国のために読んであげて欲しい。(お互いの為と言われるより韓国人はこう言われる方がうれしいらしい)