2008年12月9日火曜日

フィッシュストーリー 伊坂幸太郎 新潮社



4つの短編小説集。
「動物園のエンジン」…「誰も信じてくれないんだけど。永沢さんが職員だった時から、動物たちの雰囲気がね、違うんだ。こんなに真っ暗な園内だけど、永沢さんが夜勤でいると明らかに違っていて」

「サクリファイス」…こもり様、生贄を選んで洞窟に閉じ込めると言う風習。

「フィッシュストーリー」…「私は正義の味方になりたかったんですよ」「親からね、そうやって育てられたんですよ」

「ポテチ」…「ただのボールが遠くに飛ぶだけのことですからね」「だって、ただのボールがあんなに遠くに」

さらにフィッシュストーリーより、
『僕の孤独が魚だとしたら、そのあまりの巨大さと獰猛さに、鯨でさえ逃げ出すに違いない』
『僕の勇気が魚だとしたら、そのあまりの巨大さと若さで、陽光の跳ね返った水面をさらに輝かせるだろう』

映画「ファイトクラブ」では、人体の各部位が一人称で語る詩が出ていた。
それと同じような小気味の良い詩が話を盛り上げる。

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